SSブログ

わすれんぼうの王様 [わすれんぼうの王様]

今年三年生になったばかりの赤石裕人くんは、わすれんぼうの王さまです。
なにしろまだ三年生になったばかりだというのに、もう「わすれんぼうの王さま」というあだ名をつけられるほどですから。
今日もゆうとくんは、しゅくだいのプリントを学校へわすれ、わざわざとりにもどって来ました。こう言う時は家が学校に近いのがざんねんです。

(遠ければとりにもどらなくてすむのになぁ)
そんなことを考えながら校門をくぐると、今日にかぎって学校がしずかなのに気がつきました。
いつもなら、お父さんもお母さんもはたらいていて、帰っても家にだれもいない子どもたちがまだ大ぜい遊んでいる時間のはずなのに、
だぁれもいません。
ゆうとくんは人がいないのをふしぎに思いながらも、大いそぎで教室のある校しゃへ向かいます。
すると、ふつうならまだ学校にのこっているはずの先生たちのすがたも見えません。
(今日はいったい何かあるのかな?)
そんなことを考えながら教室のとびらの前に立つと、同じクラスの新島えりかちゃんが、教室のまんなかでぽつんと立っているのが見えました。
ゆうとくんが「なにやってるの?」と言いながら教室のとびらをガラガラっとあけると、えりかちゃんはおどろいたようにゆうとくんの方をふりむき、
「入っちゃだめ!」とさけびました。

「え、なんで?」
おどろいたのはゆうとくんです。
教室に入らなければプリントをとりに行けません。
「なんで入っちゃだめなの?」
ゆうとくんは、もう一度たずねます。
でもえりかちゃんはそれには答えず、「何しに来たの?」とといかけてきました。
そこでゆうとくんは、プリントをわすれ、とりに来たことをせつめいしました。
「じゃあ、わたしがとってきてあげるから、ゆうとくんはぜったい教室にはいらないでね」
えりかちゃんはそう言うと、ゆうとくんのつくえにむかいました。

つくえの中からプリントをさがし出したえりかちゃんがゆうとくんの方へむかおうとした時、
つくえの中をのぞくために引いてあったイスの足にけつまずいてしまいました。
ころびそうになるえりかちゃんをたすけようと、教室の中へとびこむゆうとくん。そのしゅん間、
うにゃり
と、ねんどのように教室がねじれたようなかんじがしました。
「いけないっ!」
「な、なんだ?」
えりかちゃんとゆうとくんの声が重なった時、そこは教室ではなく、森の中でした。
そして目の前には、おばさんとおばあさんの中間くらいの年れい女の人がいました。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

これは一年以上前、甥をモデルに書き始めた・・・小説じゃないな、おはなし?・・・です。
もうちょっとだけ進んだところで止まってしまってますが、気が向いたらまた続きを書くかもです。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0