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駄文(あ、カテゴリーを駄文にしてタイトルをわすれんぼうの王様にすればよかった) [わすれんぼうの王様]

「あ、どうしさま!」
その女の人を見るなり、えりかちゃんはあわてて立ち上がると、頭を下げました。
どうしさまとよばれたその女の人は、それへとゆっくりとうなづきを返すと、「そちらは同行者でよいのだな? では、テストを始める」
そう言って大きく右手をふると、姿を消してしまいました。
「ええと・・」
おどろきのあまりぼーっとしていたゆうとくんが、女の人のきえた方を見つめたまま、ようやくそれだけ言いました。

とりあえず立ち止まっているわけにもいかないので、ふたりは歩きながら話し始めました。
なぜ立ち止まっているわけにいかないのかと言うと、この森をぬけ、ゴールにたどり着く事がえりかちゃんのテストだからです。
「んーとね・・・何からせつめいしようか」
何からと言われても、ゆうとくんには聞きたい事がいっぱいあって、どれから聞いたらいいのかまよってしまいます。 (あの女の人はだれ?)(なんで学校が森になっちゃったの?)(同行者ってどういうこと?)
考えたけっかゆうとくんが聞いたのは、「一体何のテストなの?」でした。

「かんたんに言うとね、まほう使いの進級テストなの」
「まほう使い?!」
ゆうとくんはびっくりして、思わず立ち止まってしまいました。
それはそうでしょう。なんたってまほう使いです。まさかえりかちゃんがまほう使いだったなんて、ゆうとくんはもちろん、だぁれも思わない事でした。
「まほう使いって、おはなしなんかに出てくる? ほんとなの?」
ふたたび歩き出しながら、ゆうとくんがえりかちゃんに問いかけます。
「本当よ。と言っても、まだ見習いだけどね」
「見習い?」
「まだまだ、べんきょう中のまほう使いってこと。
今はまだ『クラス緑』のまほう使いだけど、このテストに合格すると、『クラス黄』に上がれるの。あ、『クラス』って言うのは、まほう使いの…う~んと、ランク? じゅんいみたいなもので、最初は『クラス薄紅』から始まるの。次が『クラス緑』で、『クラス黄』で、一番位の高いまほう使いは、『銀のまほう使い』ってよばれるのよ」
いっしょうけんめい説明してくれるえりかちゃんですが、まだえりかちゃんがまほう使いだと信じきれないゆうとくんには、「へ~」と、それだけ言うのがやっとでした。


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